北海道に転勤してから早3年。
冬の大変さはありますが、北海道での暮らしはなかなか快適です。
真剣に定住検討をしているくらい、私はとても気に入っています。
道外の知り合いに今の暮らしを語ると、北海道に移住したいとの声も出るほどです。
好きなものの魅力を伝えられているのは嬉しい限りですが、
生活に関わることなので気軽に「ヘイヘイおいでよ!」とは言えない部分もあり。
そんな気持ちから、自分の実体験を踏まえた上で。
今回は、北海道に移住するにあたって重要な検討ポイントを3点ご紹介します。
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1.北海道での仕事確保
最重要事項です。
働かないと食べていけませんからね。
本州に比べ、北海道の仕事は少ない上に低賃金です。
家賃や土地代が低いのは事実ですが、それ以上に賃金ベースが低い。
ザックリ、実際の数値から検討してみましょう。
家賃相場
札幌(中央区) ワンルーム3.6万 / 1LDK5.5万
東京(千代田区) ワンルーム6.6万 / 1LDK16.7万
住宅情報サイト『SUUMO』より(2019/07/15現在)
年収平均
北海道 373万円
東京都 448万円
dodaより(2017/9-2018/8のデータ)
仮に、一人暮らしワンルームで考えた場合。
年収が75万下がる。月ベースで6.25万下がる。家賃は3万しか下がらない。
単純計算、月の収入は3万以上減りますね。
加えて、北海道は冬場の光熱費がかさみます。
燃料費が出ればペイ出来ますが、燃料費有りの企業は少ないのが現状です。
また、札幌や旭川・函館のごく一部を除いて、車がないと非常に不便です。
極地方では車なしでは生活出来ないレベル。
地方に住む場合、車の維持費も計上しなければなりません。
上記の理由から、求人も自動車免許必須(ペーパー不可)の案件が多目。
東京では免許必須率の低い業種でも、北海道だと要免許の記載が高い印象です。
免許のない方は、無条件で転職(職業)選択幅が狭まると思います。
単純な求人数の差は、求人サイトをググればすぐに分かります。
参考までに。
リクナビNEXT
北海道 989件
東京 8914件
(2019/07/15現在)
一目瞭然ですね。人口差を考えると当然。
実は、求人数差自体はそこまで致命的ではありません。
応募側の人口も少ないので。
単純な求人数の差より、職種バリエーションの少なさが痛いです。
研究開発、IT系なんかは致命的ですね。
オリンピックの影響もほとんど感じず、こちらでは土木系も閑古鳥。
ちょっと変わった職種になると、ブラック臭い求人すら見かけなかったり。
北海道っぽいと感じる求人と言えば、農業従事者の募集でしょうか。
時々、住み込み(?)募集を見かけます。あまり多くないですが。
期間限定ですが、リゾート地や温泉での募集もチラホラ見かけますね。
札幌限定だとコルセン求人が豊富。過去の誘致の名残でしょうか。
通常の転職で、生活可能な北海道での仕事を確保するのは大変です。
ここが、北海道移住者への第一にして最大の関門でしょう。
ですが、真剣に北海道で暮らしていきたいのであれば、検討必須のポイントです。
ちなみに、私はこの関門を解決済みです。
道外企業から転勤で来ているので、給与は本社テーブルのままなんです。
転勤中も実質給与が下がらないという状況で、ありがたやありがたや。
(※地方転勤だと給与が下がるパターンも多い)
別に北海道転勤狙いだったわけではありませんし、恐らく特殊事例ですが。
家賃が下がった分、生活が少し豊かになったという自分もビックリな展開です。
仕事に関しては、一概にどうとも言えないのが悩ましいところ。
北海道に限らず何かしら難しい部分があるので。
じゃあ東京なら一生働いていけるの? という問題もありますしね。
転職が難航しそうな場合、転勤を視野に入れるのもひとつの方法かも知れません。
もし社内に北海道転勤席があれば、思い切って立候補してみては如何でしょうか?
2.北海道の気質が合うか否か
冬のアレコレより、こちらの方が重要に思います。
積雪やイベント系の不便さなんかには、意外と簡単に慣れるので。
抽象的な話になってしまいますが、北海道はおおらかです。
「おおらか」だと、少しニュアンスが違う気もしますが。
でも、「のんき」だと、もっと意味が離れてしまう感じ。
何事も、東京のようにガツガツしていないんですよね。
会社や仕事、ひいては社会的な雰囲気そのものが。
プロ的な最高のオモテナシはないけれど、その分クレーマーもいない。
良くも悪くも、あまり求めないし求められない前提、といいますか。
そして、それを良しとする空気を感じます。
見合う表現が見つからないのがもどかしいですが、そんな雰囲気。
ここが、性格的に合うかどうか。
人の気質や土地柄への相性が、すべてを決めるのではないかと感じています。
独断と偏見で予想すると。
自分にも他人にも強く求めるタイプの方だと、多分この空気は合わない。
私は、この辺がとても合うので、いま真剣に北海道に定住したいと考えています。
互いにほどほどまったり生きていきたいので、今の環境が幸せです。
意識高い系人間のエンカウント率の低さにも心が安らぎます。
3.北海道への移住に何を求めているのか
北海道は、自然の豊かさや食べ物の美味しさを売りにしています。
求める方もそのパターンが多いですし、当の北海道側もそんな誘致方法です。
確かに、自然や北海道産の魅力は大きいですし、実際、私も好きです。
ですが、それだけなら、別に海外でもいいと思います。
東京やその周辺にだって、自然がないわけではありません。
はずれの方なんかドのつく田舎ですからね。ほんとに。
食べ物にしても、何も年中美味しいものを食べなくても困りはしません。
余程のグルメさんでなければ、時々北海道産を買う程度で十分でしょう。
味より見た目や調理の手間暇にこだわる人だと逆に辛い、まであり得ます。
洗ったレタスをむしゃむしゃするだけでも美味しくて幸せ、それが北海道流。
大自然を求めて移住してしまうと、見合わない冬の過酷さが堪えるでしょう。
食べ物は、最初は美味しくても次第に舌が肥えて慣れてしまいます。
なので、安直にそれだけを求めて移住するのはオススメしません。
うっかりすると、試される大地に試され続けて終わります。
あまり、北海道を甘く見ないほうがいい……。
それと、北海道に慣れてから東京に戻るのは、骨が折れると思います。
「東京→北海道」は戸惑う程度で済むでしょう。
ですが、「北海道→東京」だと、辛……シンド……、となること間違いなし。
後者はまだ経験していませんが、この推測にはかなり自信があります。
自分が、あるいはご家族が。
何を求めて移住を望んでいるのか、今一度、じっくり考えてみて下さいね。
何事も経験、とりあえず数年住んでみる、という形から入るのも良いと思います。
北海道で個人的に好きなのは、国内なのに少し離れた微妙な距離感と雰囲気。
京都や大阪も文化的には結構違いますし、距離なら沖縄も離れていますが……。
それらとも何かが違う、独特な感じがあるんですよね。
そんな場所で、海外旅行ではなく、観光でもなく、定住できるというのがまた良い。
北海道は広いですし、札幌か否かだけでもかなり違いがあります。
居住地や暮らし方による差異も大きいので、収入などの比較も目安程度に。
私の場合、東京ほどには求められないので多少の収入低下は許容範囲。
北海道の会社……というか、社会の雰囲気はガツガツさ少な目です。
心理的な重圧回避の対価だと思えば、寧ろ安いとすら感じます。
勿論、生活していけない収入であれば話は別ですが!
観光と定住ではハードルも変わるもの。
少しでも、当記事が北海道生活を検討されている方の参考になれば幸いです。
機会があれば、小ネタ的な北海道エピソードも別記事で紹介していきたいと思います。
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